枯れた技術を楽しむ ムーンスターローバスケットを買ってみた
枯れた技術
わたしは、ローテクなものが好きだ。
「枯れた技術」が好きだ。
ローテクなものは、自分で楽しめる余白が多い。
時代から遠く離れて
最近のテクノロジー全般は、進化がすごくてなにかと便利だし、任せておけばだいたいうまくやってくれる。
しかし、自分で操る楽しみがない。それはスマートフォンでも、家電製品でも、靴でも、洋服でも。
いまだに、わたしは、ラジカセを使っている。
ヴィンテージもののゴツいかっこいいものではない。
AIWA製で、2000年代製でありながらY2Kな感じはまるでない。
端的に言って、かっこいいところはまるでない。
自分でアンテナを太い長いものに付け替えた。
FMの音がクリアになった。
それだけでも、見るべきところのなかったラジカセが自分のものになった感じがしている。
他には、CDプレイヤーを使っている。
これはジャンク品をメルカリで買って、バラしてベルトを取り替えた。
ジャンク品は1000円程度で、交換ベルトは200円ぐらいだった。
わたしは、電気系はまったく強くない。はんだ付けもできない。
でもWEBで検索すると、交換方法や修理方法はわかる。方法がわかれば、プラモデルを作るように、手を加えることができる。いろんなものに手を加えていると、ジャンルが違うものでも、なんとなく「勘所」がわかるようになってきている気がする。それは「知恵」と呼ばれるものかもしれない。
スマートフォンが世間に一般化しはじめた2010年代以降、こうした楽しみ方がどんどん失われている。
創作意欲の塊のような人は、スマートフォンを使いこなすことで、自分の内側にあるものを外在化し、世に問えるようになってきて、それはいいことだと思うと同時に、そんな使い方をできる人は、ごく一部で、自分を顧みると多くの人は、ネットを飛び交うコンテンツを消費するだけの存在にさせられているのではないか。
中年も終盤に入ってくると、いろいろな情報を追いかけるのがしんどい。
人生の残り時間は見えてきている。
世間の流行りすたりは横目で見るぐらいで、自分の時間は、自分の手を動かして楽しんでいたい。そんな思いが年々強くなってきている。
ブログをはじめたきっかけ
ブログを書こうと思った直接のきっかけは、ローテクスニーカーの情報が、WEBの世界に案外見つからなかったからだった。
「ほしい」と思ったスニーカーを検索してみても、自分が必要としている情報がヒットしない。
例えばサイズ感だったり、例えば修理方法だったり。
皆無ではないにしても、すぐにたどり着けなかったり、そこには自分が得た「知恵」のようなことが書かれていなかったりする。
それから自分が魅力に感じているものでも、その魅力が言語化されていなかったりもする。
もちろん、先行して書かれている言葉はたくさんあり、自分もいろいろと参考にさせてもらってきたが、魅力的なものには、いくら言葉があってもありすぎることはないだろう。
ならば、この広大無辺なWEBにあふれる文字の世界にも、自分が書く場所があるんじゃないかと思った。
「ローテクなものは、自分で楽しむ余白が多い」
書きたいことはこの1行に集約されてしまうのだが、それをこれから具体的に書いていこうと思う。
MOONSTAR LOWBASKETBALLを買ってみた
最近入手したスニーカーはMOONSTARのLOWBASKET。
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わたしが買ったのはこのピンク色
ABCマートで見かけたことがない。靴流通センターにはあるのかな。でも大人向けのデザインのものはどうなんだろう。
グリーンレーベルや、スティーブアレンの店頭では見た覚えはある。
ここ2, 3年の間では、スチューデンのアイスグレーの27.0cmと、ベージュの26.5cmを履いてきた。
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軽くて履き心地がよくて、どんな服にも合わせやすくて申し分がなかった。
アイスグレーは、写真で見るよりも、実物は、いろんな服に合わせやすかった。
ミリタリーブームで、中古で状態もさほどよくないトレーニングシューズを高額で見かけるたびに、こっちで十分だし、履き潰すならこっちのほうがリアルだろう思ってきた。
自分の足のサイズは、VANSのポップクッシュ入りのスケートHiで27.0cm、NIKEのコルテッツだと27.5cm。
それが、スチューデンだと、26.5cmが快適だった。27.0cmでも問題なく履けるが、少し大きく、紐をぎゅっと縛るので羽根が締まり気味になっていた。
スチューデンに比べて、ムーンスターの「フルヴァルカナイズド」のシリーズは、1万円以上するので、すこし高い気がしていた。
キャンバス地のスニーカーは安価なものという先入観があった。
VANSやコンバースだとABCマートで5千円台から買えるものもあるので、そう思ってしまう。
しかし、このブログを読んで、印象が180度変わった。
無印みたいに綿100%で3000円前後って
本当は値段がバグってるんです。
コンバースもしかり
これでも安いくらい。
オニツカ・メキシコスリッポン。
12100円。(中略)
これ、12100円で高いと思います?
私は全然思いません。
オニツカも利益出てんのかこれ・・。
昭和のズック靴とは
時代がちがうんですよ、時代が!
キャンバスも革もグレードはありますが
実はそれほど価格に差はありません。
ワンチャン上等なキャンバスのほうが
革より高い場合もあるでしょう。
なるほどー。
そんなキャンバスという素材が置かれている状況とはあべこべに、ハイテクスニーカーに比して、キャンバススニーカーの良さがあまり語られているように思えないので、自分の思うキャンバススニーカーやローテクスニーカーの良さを挙げてみる。
ローテクスニーカーのよさ
- 履いていると味が出てくる
- 自分で修理できる
- 丸洗いしやすい
- カスタマイズしやすい
- 足裏に地面を感じられる
- カラバリが豊富
- 街中で履いてる人が少ない
要は冒頭に書いた「自分で楽しむ余白が多い」ということに集約されるのだが、6.と7. はやや違うので、順に補足することで今回は最後にしたい。
最近のスニーカーは、派手な色は少ない。Y2K風に、派手にしているスニーカーも、派手な質感の素材で、ギラギラした雰囲気をまとっていても、色自体は白や黒がメインで、原色がメインのものはあまり見ない気がする。
特に街中で実際に履かれているスニーカーを観察していると、白色、黒色を主にしたものが圧倒的に多い。hokaでもアシックスでもニューバランスでも、落ち着いた色ばかりと遭遇する。
ABCマートの靴売り場でも、カラフルなのはコンバースの売り場だけではなかろうか。
6について書きながら、7についてもおおよそ書いてしまっているが、街中でも履いている人が本当に少ない。海外からの観光客で一番人気があるのはonだと思う(自分調べ)。あとはアシックス、hoka。
円安、物価高などなど、暗いニュースばかりがSNSを覆い尽くす昨今、足元でもカラフルにしてもいいと思っている。
ローバスケットは、27.5cmのピンクを買った。試着をしてから購入しすることができず、コンバースに近いだろうという雑な直感と、大は小を兼ねるという大雑把さで、このサイズにした。
ローバスケットについては次回詳しく書きます。
今日の気になる一足
カラフルが豊富なのがローテクのいいところ、と書いた矢先にひっくり返すようですが…。レザーのバルカナイズド! ってところで一目惚れしました。ヘリンボーンテープもいい感じ。どこに売っているんだろう…。
アサヒ/ASAHIから登場ベルテッドレザースニーカー。
1970年代、当時の技術においてバルカナイズ製法よるレザーアッパー採用は、ゴムとの接着の相性が悪く耐久性に難がありました。そこで発案されたのがコットンのヘリンボーンテープをベルト状に巻いて接着する技法。アサヒはそこから着想し生み出されたのがこのBELTEDシリーズ。耐久性の高さと少しレトロな独特の風合いが魅力です。
アッパーは天然皮革を採用。レザー特有の経年変化が楽しめる1足。高級感もありコーディネートの幅も広がります。またソールとの接着の為につけられたコットンヘリンボーンのテープも良いアクセントになっています。
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ブログで紹介したものを中心に、楽天ROOMにまとめていきます。